ひとつの作業だけを、最後までやりきる
目の前に仕事が山積みで、「何から手をつければいいかわからない!」というとき。
「とりあえず、会議に必要な書類をコピーしよう」
「まずは電話連絡を済ませてしまおう」
というように、最もやりやすいことから片付けていくというのは順当な手段です。
しかし、電話の最中に上司に呼ばれたり、別の案件で相談が持ち込まれたりして、思うにまかせないこともあるでしょう。
こうして数珠つなぎのように仕事が増えていくのは、よくあることです。
そんなときは、とにかく一つの作業をやりぬいて、完成するようにしてください。たとえば、書類のコピーとりをするなら最後までコピーをとる、途中で上司に呼ばれても、戻ったらすぐまたコピー取りの作業を再開する、というように。
一つの作業が完成するまでやりきらないと、事態はとっ散らかるいっぽうです。中途半端なまま、次々と新しい作業に手を出していくから混乱が増大し、ミスも生じやすくなるのです。
これはいわゆる「片付けられない症候群」の症状とよく似た状態に陥っています。
部屋の片付けや掃除ができないために、ゴミ屋敷のようになってしまっている人、片付けるにしても、どこからどう手をつけていいかわからないと、思考能力が働かなくなってしまっている人、手をこまねいている人が現実にいっぱいいるのです。
そうした場合、「まずはこの一角から整理してみましょうか」「大きなゴミから捨てていきましょうか」というように、その人自身が一番やりやすそうなところから手をつけるように促したりします。すると、散らかり放題だった部屋の中にも、ある一定の秩序だった構図が見えてきます。
こうして、全体の見通しをつけることにより、部屋全体を整理整頓することができるようになってきます。
高橋院長著書『仕事も人間関係も「いっぱいいっぱい」にならない方法』より初志貫徹のアドバイスをお送り致します。