人脈作りというと「異業種交流会」で名刺をばらまくというイメージがあるけれど、それだとどうだろう、そんな功利が先に立つようなやり方をすると、そんなに思ったほどは広がらないのではないでしょうか。
もちろん専門知識を持った人を知り合いに持っていれば、それはそれで得はすると思います。弁護士に相談すれば二、三万の話を、友人であれば、たった一〇分、一五分で色々丁寧に教えてくれるでしょう。そういう意味で友人がいれば、それはそれで財産としては生きてくる。
でも若い人たちには、そんなじじくさい人脈作りを心がける必要はない。若い人たちには別のやり方をすすめます。
日本人にはそういう習慣は少ないけれど、外国だと「部屋をシェアする」ということを、男でも女でも異性同士でも、みんな平気でするんですね。これはものすごく素晴らしくて、突然人脈が倍になります。日本人にはあまりない文化だけれど、それが日本の中でできたら、簡単に人脈がつくれる、増えると思います。そういう習慣はどんどんつけていくといい。東京なんか部屋代高いわけだし、狭い部屋に一人でポツンといるより、倍の広さで部屋をシェアしたほうがいいじゃない。
お金の問題一つ取り上げても、東京で自分の部屋を借りて、ほとんど外食で、なんて、こんなバカバカしいことはない。それなら二人でシェアして、交代で食事を作って、とやったら、お金なんか半分とは言わないけれど、三分の二以下ですよ。
それで人脈が増える。そういう習慣をみんなに身につけてもらいたいですね。
日本人が、部屋をシェアしないのは、そういう付き合いが苦手なんでしょうね。逆に言うと、さっき言ったように、「イヤなときに断る」と言うことができないから、「振り回されるのではないか」と思ってしまうわけ。
向こうは、いくら部屋をシェアしていても、「今日は私は話したくないから、ほおっておいて」と言えばちょっかい出さないし。日本人は、相手が何かしたら必ず合わせないといけない、と気を使って、それで自分自身がつぶれちゃうんですね。
それがお互いに言える人だったら、いいと思う。お互いに気を使うけど、自分の主張を、相手を傷つけないで言える関係を維持するというのが、すごく大事。
人脈づくりも同じで、そういうふうに「イヤなときはダメ」で断れて、でも「やってあげられるときはやってあげる」という良い関係をつくらないと、長続きしないです。
院長 高橋龍太郎著書『人生にはしなくてもいいことがいっぱいある』より抜粋
高橋院長のひと言
20年以上も前に、この文章を書きましたが、今でもリアリティを失わないどころか、ますますシェアルーム化がすすんでいることに驚かされます。
若い人たちの人脈つくりはシェアルームから。
この蒲田には、日本最大のシェアルームマンションがあると聞きます。すると蒲田は、日本最大の情報発信地になるのかな。
タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎