当クリニック高橋院長の著書から、みなさまの日常生活に良いヒントとなるようなパートをお伝えするシリーズです。「高橋院長のひと言」も是非ご覧くださいませ。
『人間関係シリーズ』第1回
「人前で緊張して何も言えなくなってしまう」「人前で食事をすることができない」「ひとりで読むときはなんでもないけど、授業であてられるとつっかえてしまう」
こんな風に、家の中にいるときは平気なんだけど、人前で何かしなければならなくなると、とたんに不安がこみあげてきて、過緊張になってしまう。
こんな症状を「社会不安障害」と言っていますが、コマーシャルなどを通じて、すっかり有名になってしまいましたね。社会不安障害というのは、不安障害の一種で、不安障害には他に、パニック障害や全般性不安障害などがあります。日本では、この社会不安障害が、昔から問題にされてきました。
もっとも以前は、こんな呼び方ではなく、赤面恐怖、あがり症、ひどい場合は対人恐怖などと呼んできました。そう言われると思い当たる人も多いと思います。
異文化との交流が始まったここ百年は、言葉が互いの理解のためにはもっとも必要なものになったのですが、まだ充分にその使い方に慣れていないのです、私たちは。
そういうところにもってきて、やっぱり以前からの「恥の文化」は残っているので、恥だけはかきたくない。この二つが組み合わさると、人前で緊張して何も言えなくなってしまう。年上の世代に多そうに見えるけど、若い世代にもけっこう多いのです、意外なことに。
人の前で恥をかきたくない気持ち、プチ完全主義を自分で見つめ直すことができると、もっと緊張のほどけた対応ができるはずなんですが。太宰治じゃないけれど「生きることは恥をかくことだ」くらいに思ったらどうでしょうか。
院長 高橋龍太郎著書 『人生にはいらない人間関係がいっぱいある』より抜粋
高橋院長のひと言
以前に比べれば、ずっとコミュニケーション能力が高まっている若い世代も「社会不安障害」の人はわりと多いもの。コミュニケーションをネットに頼ることも多い現代、緊張する人は少なからずいます。
若いときは世界中のほとんどの人が自分を見ていると思いがちですが、自意識過剰を捨てることが対等の第一歩です。
タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎