注意欠如・多動性障害(ADHD)について

ADHD

 

~「忘れっぽい」「落ち着かない」は性格のせいではないかもしれません~

 

ADHDとは

注意欠如・多動性障害(ADHD:Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder)は、発達障害のひとつで、不注意、多動性、衝動性といった特徴がみられる状態です。日常生活の中で、ミスが多い、話を最後まで聞けない、物事を順序立てて進めるのが苦手、といった困りごとを抱えやすく、学校生活や職場、家庭内で支障が出ることもあります。

一方で、関心のあることに対しては強い集中力を発揮する方もおり、環境や支援のあり方次第で、その人の力を生かすことができる場合もあります。大人になってから気づくケースも増えており、「もしかして自分もADHDかも?」と感じたときは、医療機関での相談が第一歩となります。

 

ADHDの原因について

ADHDの明確な原因はまだ解明されていませんが、先天的な脳の機能の特性や、神経伝達物質(ドーパミンなど)の働きの偏りが関係していると考えられています。しつけや親の育て方が原因ではないため、ご本人やご家族が過度に自分を責める必要はありません。大切なのは、その人に合った環境やサポートを整えることです。

 

ADHDによくみられる特徴

ADHDには「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特徴が見られ、それぞれ以下のような困りごとが日常生活で現れることがあります。

たとえば、大事な約束や締め切りを忘れてしまったり、書類や鍵などをよく失くしたり、段取りを立てて行動することが苦手だったりといった「不注意」の傾向があります。また、会話中に話を遮ってしまう、思いついたことをすぐ口に出してしまう、列に並んでいる時に自分の順番を待つことが難しいといった「衝動性」の強さが見られることもあります。

さらに、会議中にじっとしていられなかったり、無意識に手足が動いてしまったりといった「多動性」が表に出ることもあります。こうした特性が重なり、対人関係のトラブルや職場での誤解、自己肯定感の低下につながるケースもあります。

 

ADHDの診断について

診断は、アメリカ精神医学会の診断基準である「DSM-5」に基づき、問診や心理検査などを通じて行います。小児期からの症状の経過や、現在の生活で困っていること、周囲からの指摘などを丁寧に伺いながら、総合的に評価します。

「昔から忘れっぽかったけれど、年齢とともに困り感が増してきた」「職場で注意を受けることが増えた」「子どもがADHDと診断され、自分も思い当たる部分がある」——そんな方も、まずはお気軽にご相談ください。

 

ADHDの治療について

ADHDの治療には、心理社会的アプローチ(カウンセリング・環境調整)と薬物療法があります。

カウンセリングでは、ミスやトラブルが起こりやすい状況を一緒に整理し、対応策や行動の工夫を考えていきます。タスク管理の方法やストレスとの付き合い方など、実生活で活用できる具体的な工夫を取り入れることで、少しずつ困りごとを減らしていくことを目指します。

また、薬物療法を併用することで、集中力の維持や衝動の抑制に役立つ場合があります。薬の使用にあたっては、ご本人の生活スタイルや希望を十分に考慮したうえで、医師が適切な選択を行います。

 

ご相談ください

    ADHDは、本人の努力不足や性格によるものではなく、生まれ持った脳の特性によるものです。周囲にうまく理解されず、苦しい思いをされている方も少なくありません。

    タカハシクリニックでは、心療内科・精神科の専門医が、患者さまのお話を丁寧にお伺いし、一人ひとりに合った支援方法を一緒に考えてまいります。
    大田区・蒲田でADHDについてのご相談を希望される方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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